弟(次男)のスマホを買い替えることになりました。
ついでに、家にいる長男にも声をかけました。
「お前も新しいiPhone、欲しいか?」
普通の高校生なら、二つ返事で「欲しい!」と言う場面です。
しかし、長男の口から出た言葉は意外なものでした。
「……いや、俺はいらない」
なぜ彼は拒んだのか?
最新機種を拒絶する。
その言葉の裏には、言葉にしない複雑な心理が見え隠れしていました。
1. 「資格がない」という罪悪感
学校にも行かず、親に迷惑をかけている。
そんな自分が、数万円もする高価なプレゼントを貰うわけにはいかない。
これは、彼なりの「けじめ」であり、まだ捨てていない「プライド」なのだと思います。
2. 「中身」を見られたくない
機種変更にはデータ移行がつきものです。
その作業を私と一緒にやることで、スマホの中身を見られるのが怖いのかもしれません。
そこには、私に見せられない「友人とのやり取り」や、現実逃避のための「買い物履歴」があるのでしょう。
今の彼にとって、スマホの中は誰にも触れられたくない「聖域(または闇)」なのです。
3. エネルギー不足
単純に、新しい設定をして、アプリを入れ直して……という作業をする気力さえ湧かないほどの「無気力感」もあるのかもしれません。
親父の決断
かつての私なら、「せっかくだから買っとけ!」「意地を張るな!」と無理やり買い与えていたかもしれません。
でも、それは親の自己満足であり、今の彼には「借金」という重荷になるだけです。
私は彼の「いらない」という意思表示を尊重することにしました。
「そうか、分かった」
それ以上は聞きません。
公平さと、待つ姿勢
もちろん、弟には買います。
「兄貴が我慢しているからお前もなし」という連帯責任は取らせません。
頑張っている次男には堂々と買い与える。それが公平さです。
その代わり、長男の分の資金は、別にとっておくことにしました。
カードは残しておきます。
彼が自分自身を許せるようになって、
「新しいスマホで、心機一転やり直したい」
と自分から言える日が来るまで。
腐ってはいない
「いらない」と言えたこと。
それは、彼がまだ腐っていない証拠です。
何も考えずに「ラッキー」と受け取るような息子じゃなかったことに、私は少し安堵しました。
今は、その傷だらけの古いスマホを握りしめて、気が済むまで戦えばいい。
親父は、新しい箱を用意して気長に待つことにします。

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