不登校の兄には最新iPhone、頑張る弟には3年前のAndroid。「ご機嫌取り」と分かっていても、俺は最後の賭けに出る。

クリスマスの足音が近づいてきました。 3年前のクリスマス、私は兄弟お揃いで「Galaxy(Androidスマホ)」をプレゼントしました。 あの頃は、「二人で大事に使えよ!」と笑い合っていた。あんなに平和な夜でした。

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歪んだ笑顔を見たくない

不登校から2週間。家庭内暴力から1週間。 家の空気は少し落ち着き、息子も冗談を言うくらいには回復しました。

でも、彼の笑顔はどこかおかしい。 片側の頬だけで笑う、歪んだ笑顔なんです。 心からの笑顔じゃない。何かを諦めたような、冷めた笑い。

私は、もう一度あいつの「歯を見せて笑う顔」が見たい。 その一心で、私は今、「最新のiPhone」を彼に渡そうとしています。

入学時に買ったスマホではなく、最新機種を。 学校に行っていない彼への、高価すぎるクリスマスプレゼントです。

これは「プレゼント」ではなく「賭け」だ

正直に言えば、下心しかありません。 これを渡した瞬間の「ニヤッ」とした顔が見たい。 そしてあわよくば、「学校に行くきっかけ」になってほしい。

箱の中に、手紙を入れたい衝動に駆られます。

  • 「これに『通学定期』を入れてくれ」
  • 「部活の帰りに、友達とPayPayで買い食いしてくれ」
  • 「画面が割れても何度でも直してやる。だから、野球部らしく雑に扱ってくれ」

今は部屋で1日8時間、画面を眺めるだけのスマホ。 でも本当は、「外の世界(学校)」で使ってほしい。 先生にスマホが見つかって怒られる……そんな当たり前の日常に戻ってほしいのです。

答え合わせをするのが怖い

でも、手紙は入れません。何も言わずに渡します。 私が一番怖いのは、これを渡しても「ダメだった時」です。

もし最新のiPhoneを手にしても、彼が学校に行かなかったら? 「ああ、もう何をやってもこいつは動かないんだ」と、私自身が「諦め」を確信してしまうことが怖いのです。

だから、これはプレゼントではありません。 私の希望を残すための、最後の賭けなのです。

頑張る次男への裏切り

この賭けには、大きな犠牲があります。 次男です。

彼は今も、3年前にあげた古いAndroidを使っています。 動作も遅く、友達と流行りの野球ゲーム(プロスピ)をやるのも一苦労。 練習終わり、みんながiPhoneをいじる中、彼は恥ずかしそうにスマホを隠していることも知っています。

文句も言わず、毎日練習に行き、結果も出している次男。 本来なら、彼こそが報われるべきです。

でも、私の心にはこんな「理不尽な言い訳」が浮かびます。

「お前は強いから、こんなモノがなくても頑張れるだろう?」 「今は兄ちゃんが大変な時期だから、我慢してくれ」

問題を起こした方が優遇され、真面目な方が割を食う。 親として最低なことをしている自覚はあります。 それでも私は、動かない長男を動かすために、次男の沈黙に甘える道を選ぼうとしています。

今年のクリスマスは、サンタクロースではなく、卑怯な父親がやってきます。

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