1月6日。始業式まであと2日。俺は焦っていた。
「3学期からは行く」という息子の言葉を信じたい。でも、体は動いていない。親として動くべきか、黙って待つべきか。その間を行ったり来たりしていた。
両親がいない家に、友人が訪ねてきた

俺たち両親が外出していたとき、インターホンが鳴った。訪ねてきたのは、野球部のチームメイトだった。
普段なら居留守を使う息子が、自分で玄関へ出た。そして、そのまま近くのショッピングモールへ遊びに行ったという。
帰宅後、じいちゃんからの電話にも明るい声で出ていた。
「うん、始業式は行くよ」
その日の息子の言葉
友人の訪問が何かを解決した、とまでは言えない。それでも、俺があれこれ言うより自然に外へ出た息子の姿は、頭から離れなかった。
一方の俺は、再登校支援の面談を受けていた
藁にもすがる思いで、以前から気になっていた再登校支援サービス「スダチ」の無料面談を受けた。
担当者の言葉は、鋭利な刃物のように俺の甘えを切り裂いた。当時の面談で、俺は次のように受け取った。
- 「行け行けと言うと、高校生は余計に反発します」
- 「まずは本人の意思を尊重。でも動かなければ、社会のルール(義務と権利)を教える必要があります」
- 「学校に行かないなら、スマホやゲームを制限する。これがデジタル制限です」
当時の面談で、俺が記録した言葉
理屈は分かる。正論だとも思った。だが、実行すれば息子が暴れるかもしれない。壁に穴が空くかもしれない。面談では、「それでも親御さんに、その覚悟はありますか?」と問われた。
そこで示された費用
もし8日の始業式がだめだったら、有料支援へ進むつもりだった。初期費用で5万円。その先、本格的に頼めば50万円、いや70万円のコースもあるという。
70万円。 息子の人生のためなら安いかもしれない。でも、ポンジスキームで金を溶かしたばかりの我が家には、胃が痛くなる金額だった。
これが「解決」の値段なのか。頭の中は、金と覚悟の話でいっぱいになった。
高い支援か、友人の一言か。答えは一つではなかった

面談で聞いた考え方には、強さがあった。一方で、たった一人の友人の「遊ぼうぜ」という一言で、息子は自分から玄関を出た。
第三者の介入が怖いと思っていたが、良い方向に転がったのかもしれない。だからといって、友人の訪問だけでこの先が決まるわけでもない。
始業式まであと少し。息子は「行く」と言っているが、部活にはまだ行かないらしい。それでもいい。当時の俺には、一歩前進に見えた。
始業式に行けなかったときのために、別の道も持っておく
俺の手元には、再登校支援の話と、通信制高校という別の選択肢があった。
もし始業式に行けなくても、いきなり70万円を払う前に、まず無料で集めた通信制高校の資料を息子へ見せるつもりだった。
「今の学校だけが全てじゃないぞ」
当時、息子へ伝えようとしていた言葉
解決にお金を払う覚悟も必要なのかもしれない。でも、その前に無料でできる準備もある。俺は、選択肢を一つに絞らずに始業式を待つことにした。

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