震える手で資料請求したけど、結局渡せずにカバンに隠した。「親の期待」が重荷になる気がして。

先日、夜中にこっそりと請求した「通信制高校」の資料。それが今日、我が家のポストに届いていた。

会社から帰宅し、ポストを開けた瞬間、その分厚い封筒を見て動悸がした。「来たか……」

宛名は俺になっている。中には、俺が選んだ数校のパンフレットが入っているはずだ。

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渡そうと思った。でも……

リビングに行き、息子に「これ、見てみるか?」と軽く渡すシミュレーションをした。「お前の選択肢を広げるために取り寄せたんだぞ」と。

でも、玄関で靴を脱ごうとした瞬間、足が止まった。「これを今渡したら、あいつはどう思うだろう?」「やっぱり全日制は無理だと思われてるのか」「早く学校(進路)を決めろと急かされている」

今の過敏になっている彼には、この封筒が「親からの新たなプレッシャー」に見えてしまうんじゃないか。そう思ったら、急に怖くなった。

結局、カバンに隠した

俺は逃げた。封筒をそのまま自分の通勤カバンの奥底に押し込み、何食わぬ顔でリビングに入った。

「おかえり」と言う妻。部屋から出てこない息子。カバンの中にある「通信制高校」の資料が、まるで爆弾のように重く感じた。

妻との深夜の開封会

息子が寝静まった深夜、妻と二人でこっそり資料を開けた。色とりどりのパンフレット。「eスポーツコース」「週1回の登校でOK」「大学進学率〇〇%」。そこには、俺たちが知らなかったキラキラした世界が広がっていた。

妻がポツリと言った。「楽しそうだね。あの子、ここなら笑えるかな」

その言葉を聞いて、少し救われた。今はまだ渡せない。カバンに隠したままだ。でも、「いざという時の切り札」が手元にある。それだけで、俺たち夫婦の心の余裕が、昨日までとは全然違った。

焦らず、その時を待つ

資料請求したからといって、すぐに転校させる必要はない。息子が「もう今の高校は無理だ」とSOSを出した時、「大丈夫、こんな道もあるぞ」と、サッと出してやれるように。

それまでは、俺のお守りとして、カバンの中で眠らせておこうと思う。あの夜の封筒は、結局しばらくの間、俺のカバンの中で眠り続けることになった。

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