会議中に頭が回らなくなるのは根性の問題じゃない。「血糖値スパイク」という見えない敵の正体

血糖値スパイクと会議中の集中力のイメージ

昼飯を食べた後の会議で、自分の集中力が急に落ちる時間帯がある。以前は「単なる眠気」だと思っていたが、調べてみるとこれは根性で乗り切れる問題ではなく、体の中で起きている化学反応そのものが原因らしい。40代になってから、この午後の失速を放置できなくなってきた。

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「血糖値スパイク」という見えない敵

食後に血糖値が急上昇し、そのあと急降下する現象を「血糖値スパイク」と呼ぶ。健康な状態なら食後の血糖値はゆるやかに上がって、インスリンの働きでゆっくり正常値に戻る。だがスパイクが起きると、食後1〜2時間で血糖値が140mg/dL、場合によっては180mg/dLを超えるほど急上昇し、そのあとインスリンが過剰に出て今度は急降下する。

この急降下のタイミングで、眠気・疲労感・集中力の低下が襲ってくる。動悸や冷や汗、手の震えを伴うこともあるという。自分が会議中に感じていた「思考のキレが落ちる感覚」は、まさにこれだったのだろう。

出典: 西早稲田ライフケアクリニック「食後だけ血糖値が上がる?血糖値スパイクの危険性と予防法」

原因は「食事を抜くこと」にもある

意外だったのは、ダイエットのために朝食を抜いたり、忙しくて昼食を後回しにしたりする習慣が、逆に血糖値スパイクを招きやすいという点だ。食事を制限して血糖値が低い状態が長く続くと、体はブドウ糖が枯渇した状態になる。そこに食事が入ってくると、体は一気に血糖値を吸収しようとして急上昇が起きる。

自分も経営者になってから、昼飯を抜いて午後の商談に突入することが珍しくなかった。「腹が減っていないから大丈夫」という感覚で乗り切ってきたが、それが逆に午後のパフォーマンスを下げていたのだとしたら、完全に本末転倒だ。

出典: 丹野内科・循環器・糖尿病内科ブログ「血糖値スパイクとは?原因・症状・予防法を内科医が徹底解説」

対策は「食べる順番」と「食後の一歩」

対策として紹介されているのは、意外にもシンプルだった。

一つ目は食べる順番。野菜→タンパク質→炭水化物の順で食べると、血糖値の急上昇を抑えやすくなるという。丼ものやラーメンのように炭水化物から一気に入ってくる食事は、スパイクを起こしやすい典型例だ。

二つ目は食後の軽い運動。食後10〜15分程度のウォーキングでも、食後血糖値を有意に下げる効果があると複数の研究で示されている。自分の場合、会議と会議の間に自席で座りっぱなしになりがちだが、昼食後だけは意識して社内をひと回りするようにしている。たった10分歩くだけで、午後の会議での集中力がまるで違う。

昼食後に歩くイメージ

出典: 金沢駅前内科・糖尿病クリニック「血糖値スパイクの治し方のポイント」

食べる順番を変えるのと合わせて、自分は食物繊維を先に摂っておくことも意識するようになった。水溶性食物繊維は糖の吸収スピードを緩やかにしてくれるため、丼ものやラーメンのような炭水化物中心の食事が続く日ほど、先に一袋飲んでおくと午後の落差が違う。

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野球で言えば「配球」と同じ発想

現役時代、打席に入る前のルーティンを崩すと、バットの軌道までブレた記憶がある。食事も同じで、何をどの順番で体に入れるかという「配球」を意識するだけで、その後のパフォーマンスが変わってくる。

経営者として結果を出すために、資格や知識を増やすことばかりに目が向きがちだが、実は「午後にどれだけ頭が回るか」という土台のコンディションのほうが、日々の意思決定の質に直結している。決算書を読む集中力も、商談での判断力も、血糖値が乱高下している状態では発揮しきれない。

数値だけでなく「体感」も記録する

自分は健康診断の数値を毎年チェックしているが、それだけでは午後の眠気の正体まではわからなかった。今回調べて初めて、「昼食後にどれだけ眠くなるか」という日々の体感そのものが、血糖値マネジメントの重要なサインだったのだと気づいた。

トレードの世界でスコアブックをつけるのと同じように、自分の体調の変化も記録してみると、何が原因で午後のパフォーマンスが落ちているのか、輪郭がはっきりしてくる。派手な対策ではないが、食べる順番を変えて、食後に少し歩く。この地味な積み重ねが、40代の午後を守ってくれる守備固めになる。

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