学童野球で投球数を数えるとき、「今日は70球以内だった」で確認を終えていないでしょうか。
全日本軟式野球連盟(JSBB)は2026年シーズンから、従来の1日上限に加えて、学童部に1週間の投球数上限を導入しました。1日分だけを記録しても、週末に複数試合がある、別の担当者がベンチに入る、別大会へ移る、といった場面で累計がつながらなければ確認が抜けます。
この記事では、規則の数字を覚えるだけでなく、「日付・その日の投球数・週累計」の3列で次の担当者へ渡す方法を整理します。これはJSBBの公式様式ではなく、規則を確認しやすくするための編集部提案です。大会ごとの運用は、必ず所属連盟と大会要項を優先してください。
2026年から増えたのは「1週間」の確認

JSBBの2025年10月28日付通知によると、2026年シーズンから学童部の1週間に係る投球数制限が導入されました。
確認すべき上限は次のとおりです。
| 区分 | 1日 | 1週間 |
|---|---|---|
| 学童部 | 70球以内 | 210球以内 |
| 4年生以下 | 60球以内 | 180球以内 |
大切なのは、1日と1週間のどちらか一方を選ぶ規則ではないことです。通知は、従来の1日上限に「加えて」1週間上限を設けています。
一方、本稿の調査では「1週間を何曜日から数えるか」「異なる大会間で誰がどう共有するか」という詳細を通知本文から確定できませんでした。ここを推測で埋めると、現場の規程と食い違う恐れがあります。試合前に所属連盟、大会本部、最新の大会要項へ確認してください。
なぜ1日だけのメモでは引き継げないのか
1日上限だけなら、その日のスコアブックや球数カウンターで確認できます。しかし週累計には、前日以前の記録が必要です。
たとえば、土曜日の担当者と日曜日の担当者が違えば、日曜日の担当者は目の前の試合だけを見ても週累計を判断できません。大会が違う場合や、チーム内で記録する人が交代した場合も同じです。
問題は「誰かが数えているはず」という状態です。投球数を数える作業と、次の試合前に累計を確認する作業は別です。記録があっても、置き場所と確認者が決まっていなければ運用は切れます。
まずは3列だけ残す

複雑な管理表から始める必要はありません。選手ごとに、最低限次の3列を残します。
| 日付 | その日の実投球数 | 確認時点の週累計 |
|---|---|---|
| 記入例:8月8日 | 記入 | 記入 |
ここに、記録者と次回確認者の欄を加えると引き継ぎやすくなります。
- 試合後:その日の投球数を確定する
- 次の試合前:前回記録と大会要項を照合する
- 登板判断前:年齢区分と日・週の両方を確認する
この表は上限まで投げさせるための計算表ではありません。上限内であれば個々の選手にとって安全だと保証するものでもありません。痛みや違和感などがあるときは、球数だけで出場可否を決めず、適切な専門家や大会の安全手順につないでください。
数える対象を自己流で決めない
2026年競技者必携の改訂資料には、12秒または20秒が経過してタイムが宣告された後にもかかわらず投球した場合、その投球を投球数に入れるという追加があります。
これは「プレー結果が残らなければ数えなくてよい」と自己判断できない例です。反対に、練習投球やブルペン投球を公式の試合投球数へどう扱うかは、本稿で確認できた資料だけでは断定できません。
記録表には、チーム独自の推測を書き込むより、次の欄を設けるほうが安全です。
- 適用大会・大会要項
- 大会本部へ確認した事項
- 確認日時と確認者
分からない項目を空欄のままにせず、「未確認」と明示すれば、次の担当者が確認すべき場所が分かります。
失敗しやすい3つの運用
1. 球数カウンターの画面だけで終える
カウンターはその場では便利ですが、端末を持つ人が変わると履歴が渡らないことがあります。試合後に共有台帳へ確定値を移すところまでを一つの仕事にします。
2. 上級生と4年生以下を同じ上限で見る
JSBB通知では4年生以下に別の上限があります。選手名だけでなく、適用する年齢区分を試合前に確認します。学年や登録区分の判断に迷う場合は大会本部へ確認します。
3. 上限未満なら登板できると決める
投球数制限は重要な最低条件ですが、個別の体調、痛み、疲労、医療上の判断を置き換えません。「残り何球投げられるか」だけでなく、「登板判断に必要な別の確認は済んでいるか」を分けて考えます。
試合前・試合後・次回前の役割を決める

運用を止めないため、担当を三つに分けます。
- 試合中の記録者:実際の投球数を記録する
- 試合後の確定者:審判・大会記録等と必要な照合をし、その日の値を確定する
- 次回登板前の確認者:週累計、年齢区分、大会要項を確認する
同じ人が兼ねても構いません。ただし名前を決めておかないと、全員が「誰かが確認した」と思いやすくなります。
まとめ:数字より先に、記録の受け渡しを決める
2026年の学童部では、1日の投球数だけでなく1週間の累計確認が必要です。確認の出発点は次の三つです。
- 1日上限と1週間上限を別々に確認する
- 日付・その日の投球数・週累計を選手ごとに残す
- 次の試合前に誰が大会要項と照合するか決める
規則の数字を覚えていても、記録が次へ渡らなければ判断材料は欠けます。まずは次の試合に向けて、現在の記録が「誰の手元にあり、誰が確認するか」を一度確かめてみてください。
参考資料
- 全日本軟式野球連盟「2026年導入 学童部における一週間に係る投球数制限の導入について(通知)」
- 全日本軟式野球連盟「2026年 競技者必携改訂について(訂正版)」
- 全日本軟式野球連盟「連盟適用ルール」
※2026年8月8日時点の公開資料を確認しています。個別の大会運用は所属連盟・大会本部の最新情報を優先してください。本稿は診断、治療、個別の登板可否を示すものではありません。

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