請求書を送ったら、いつ入金を見る?受注側が決める3つの日付

請求日・支払期限・入金確認日の3つを分けて管理するイメージ

自社が請求書を送る側なら、請求書を作る日に「請求日」「支払期限」「入金確認日」の3つを登録します。

支払期限だけ書いても、誰がいつ銀行口座や帳簿を見るのかは決まりません。そこで、社内で確認する日を別に置きます。入金確認日は法律で一律に決められた期限ではなく、取引条件や営業日、確認担当に合わせて自社で決める運用日です。この3日付に確認結果と次の担当を加えるのが、この記事で提案する方法です。

貸した本には「貸した日」と「返す日」だけでなく、「返ったか確かめる日」も書きます。請求書も同じです。

目次

請求日・支払期限・入金確認日は別の日

請求日・支払期限・入金確認日の役割を分けた図

3つの日付には、それぞれ別の役割があります。

項目 意味 何を記録するか
請求日 自社が請求した日 実際に発行・送付した日
支払期限 取引先と契約や合意で決めた期限 請求書や契約書にある日付
入金確認日 社内で入金結果を見る日 担当者が銀行口座や帳簿を確認する日

支払期限と入金確認日は、同じ意味ではありません。支払期限は取引条件です。入金確認日は、自社の確認作業を忘れないための日です。

国税庁は、日々の取引状況を記帳し、帳簿や書類を一定期間保存する必要があると案内し、帳簿の例として売掛帳を挙げています。ただし、この案内は主に個人事業者向けであり、この記事で提案する「入金確認日」が法定の記載事項だという根拠ではありません。

国税庁の記帳手引きでは、売掛帳に掛売りと売掛金の回収状況を記載すると説明されています。これも入金確認の頻度や日を一律に定めるものではなく、売掛金の動きを記録する根拠として捉えます。

法人についても、国税庁は帳簿の例に仕訳帳、総勘定元帳、売掛金元帳などを挙げています。しかし、「支払期限の翌日に確認しなければならない」という意味ではありません。

入金確認日は、社内の動ける日に決める

入金確認日は、支払期限当日や翌営業日を候補にできます。ただし、これは自社ルールの例です。すべての会社や取引に共通する正解ではありません。

決めるときは、次の4点を確認します。

  1. 契約や請求書に書かれた支払期限
  2. 入金を確認できる時刻
  3. 土日祝など、銀行の振込処理が通常どおり動かない日
  4. 確認する担当者が実際に作業できる日

たとえば支払期限当日に確認しても、社内の照合作業が翌日になる会社もあります。その場合は、支払期限と同じ日を入金確認日にすると、確認できない予定が残ります。自社が実際に確認できる日を登録するほうが分かりやすくなります。

一方で、銀行休業日だから契約上の支払期限が必ず翌営業日に変わる、と決めつけてはいけません。期限の扱いは契約や取引条件によって変わります。この記事では期限を計算し直さず、合意済みの支払期限をそのまま台帳へ写します。

フリーランス法の対象取引では、報酬の支払期日は取引条件の明示事項であり、請求書が提出されなくても、あらかじめ決めた支払期日までに支払うよう公正取引委員会が案内しています。これは発注側の義務に関する説明です。本稿の受注側の入金確認日へ一律に当てはめるものではなく、合意した支払期限を曖昧にしないための補足です。

台帳には、日付だけでなく結果と次の担当を書く

入金管理台帳に必要な6列を示した図

表計算ソフト、紙の一覧、今使っている会計・請求環境のどれでも始められます。必要なのは、次の6列です。

取引先 請求日 支払期限 入金確認日 確認結果 次の担当
A社 8月18日 8月31日 9月1日 要確認 経理担当

この例は架空であり、日付の決め方を示すためのものです。9月1日がすべての取引で正しい確認日という意味ではありません。

確認結果は、少なくとも次のように分けます。

  • 未送付:請求書をまだ送っていない
  • 請求済み:請求書を送ったが、確認日はまだ来ていない
  • 入金済み:入金を確認できた
  • 照合待ち:入金らしい記録はあるが、どの請求分か確定していない
  • 要確認:確認日に入金を見つけられず、事実を調べている

「未送付」と「入金が確認できない状態」を同じ空欄にすると、何をすべきか分かりません。「要確認」の次に担当者名を書けば、確認対象と担当を一覧にできます。

未入金と決める前に確認すること

未入金と判断する前の確認項目を示した図

入金確認日に銀行口座を見て、入金が見当たらなくても、すぐに相手が支払っていないと決めつけないようにします。

先に確認するのは次の事実です。

  • 請求書を実際に送ったか
  • 送付先のメールアドレスや宛先は正しいか
  • 契約や請求書に書いた支払期限はいつか
  • 土日祝などの銀行休業日が関係していないか
  • 納品物を相手が確認し、受取り完了とする条件があるか
  • 振込名義が取引先名と違っていないか
  • 入金はあるが、どの請求分か結び付いていない状態ではないか

請求書の未達、銀行処理、請求と入金の照合ずれ、契約上の条件などを確認してから状態を判断するのが、この記事の安全上の提案です。個別契約の法的な効力や相手の責任を判定するものではありません。

この記事では、遅延損害金、法的な督促、契約解除などは扱いません。事実を確認した後の対応は、契約内容や状況によって変わります。個別の法的判断が必要な場合は専門家へ確認してください。

ツールを使っても、状態確認は必要

請求書管理サービスには、見積発行から請求、入金までの状態を管理し、請求書の送信などに合わせて「未請求」から「請求済」へ変更する機能があります。ただし、一部の決済を除き、入金状態が自動更新されるとは限りません。手動変更が必要な場合があり、機能そのものが未入金を回収するわけでもありません。

請求書ごとに実際の入金日を登録し、詳細画面で確認できると案内しているサービスもあります。ただし、これは2020年の機能告知に基づくため、使う前に現行画面やサポートで機能が続いているか確認が必要です。支払期限を実際の入金日として登録しないよう、意味を分けます。

請求書に記載した支払期日を入金予定日としてカレンダーへ連携する機能も案内されています。こちらも2018年の告知なので現行確認が必要です。また、支払期限・入金予定日と、実際の入金日は同じではありません。

請求書一覧で未入金状況と支払期限からの超過日数を表示する機能もありますが、古い機能告知のため現行確認が必要です。画面に期限超過と表示されただけで、相手の法的な責任や今後の対応を判断してはいけません。

ツールを使わない場合は、表計算の「入金確認日」列を並べ替えるか、無料のカレンダーへ確認予定を登録すれば始められます。どの方法でも、確認した人が結果と次の担当を更新しなければ、状態は古いままです。これからMisocaの導入を検討するなら、人数と月ごとの作成通数からプラン15・100を比べる方法も確認できます。

よくある失敗は、支払期限だけ入れて安心すること

次の運用では、確認作業が宙に浮きます。

  • 請求書を送ったが、送付済みか記録していない
  • 支払期限はあるが、入金を見る日がない
  • 担当者を決めず、誰かが見ると思っている
  • 入金らしい金額を見つけただけで照合済みにする
  • 期限超過の表示だけで相手の不払いと決めつける

入金確認日を置いても、入金や回収は保証されません。また、確認漏れが必ずなくなるとも言えません。できるのは、確認する請求書、日付、担当者、結果、次の担当を同じ一覧にすることです。

今日、請求書1件へ確認日を足す

まず、すでに送った請求書を1件だけ開いてください。次の順に書きます。

  1. 実際の請求日を入れる
  2. 契約や請求書で合意済みの支払期限を写す
  3. 社内で確認できる入金確認日を決める
  4. 確認担当者を書く
  5. 確認後に結果と次の担当を更新する

今日書く一行は、これです。

請求書を送る日に、支払期限と入金確認日も登録する。

自社が発注する側の支払管理も見直したい場合は、別記事の発注側の注文書・支払期日・振込手数料を点検するで確認できます。本稿は受注側が自社発行の請求書を追う運用であり、扱う立場と目的が異なります。

請求日、支払期限、入金確認日を分け、確認結果と次の担当まで一つの表へ入れる。ここまで決めれば、特定の有料サービスを使わなくても運用を始められます。

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