40代の腹回りと便通の悩みは「食物繊維不足」のサイン。守備の要、腸内環境という土台の話
グラウンド整備を怠ったチームは、いずれ足元をすくわれる
野球のグラウンド整備は地味な仕事だ。観客の目にはほとんど留まらないし、試合の勝敗に直結しないように見える。だが、荒れたグラウンドでプレーを続ければ、いずれイレギュラーバウンドで大怪我をする選手が出る。整備を怠ったツケは、必ずどこかで表面化する。
自分は44歳になって、体の中にも同じ「グラウンド整備」が必要だと痛感するようになった。健康診断のたびに気になる腹回りの数字、以前より頻繁になった便通の乱れ、なんとなく続く体の重だるさ。原因を突き詰めていくと、行き着く先はいつも同じだった。食物繊維の摂取不足という、地味だが土台となる部分の劣化だ。
数字で見る「静かな不足」
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の重症化予防の観点から、成人男性で1日20g以上、女性で18g以上の食物繊維摂取が目標量として設定された。一方、令和6年の国民健康・栄養調査によれば、日本人成人(20歳以上)の食物繊維摂取量の平均値は1日18.1gにとどまっている。年代別に見ても、いずれの世代も国の設定した基準を満たせていないのが実情だ。
背景にあるのは、穀類・いも類・豆類といった、かつて食物繊維の主要な供給源だった食品の摂取量そのものが減っていることだ。1955年当時、日本人は一人あたり1日20g以上の食物繊維を摂取していたとされる。米や小麦の精白が進み、食生活が変化する中で、この量は静かに、しかし確実に目減りしてきた。飢餓のように痛みを伴う不足ではないからこそ、対策が後回しにされやすい。
経営者の体は「会社の資本」そのもの
自分のような経営者にとって、体調不良は個人の問題では済まない。自分が倒れれば、判断が滞り、チーム全体の動きが止まる。にもかかわらず、食生活は忙しさを理由に真っ先に犠牲になる。移動中のコンビニ食、会食続きの脂質・糖質偏重の食事、野菜や海藻、きのこ類を意識して摂る余裕のなさ。振り返れば、自分の食卓から食物繊維が最初に消えていったと感じる。
食物繊維の不足は、腸内環境の悪化を通じて便通の乱れを引き起こすだけでなく、血糖値の急上昇、いわゆる血糖値スパイクのリスクにも関わってくる。食後に強い眠気や集中力の低下を感じる経営者は少なくないが、その原因の一端が、腸内環境と食物繊維の不足にあるケースは珍しくない。守りの陣形が崩れていると、攻めの一手を打つべき場面で頭が回らなくなる。これは経営判断において、決して小さな損失ではない。
不溶性と水溶性、2種類の「守備」
食物繊維には大きく分けて不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がある。不溶性は便のかさを増やして腸を刺激し、水溶性は水に溶けてゲル状になり、糖や脂質の吸収速度を緩やかにする働きを持つ。どちらか一方に偏るのではなく、両方をバランスよく摂ることが、腸内環境という守備陣形を安定させる基本になる。
自分は特に、食後の血糖値の乱高下を抑えるという観点から、水溶性食物繊維を意識的に補うようになった。忙しい日々の中で毎食、野菜や海藻を計算通りに摂るのは正直難しい。そこで取り入れているのが、グアーガム由来の水溶性食物繊維を手軽に摂れる飲むグアーガム リフリーラだ。食後血糖のピーク値を抑え、腸内環境を整えることを狙った、水溶性食物繊維(グアーガム分解物)ベースのサプリメントで、臨床試験でも効果が確認されているという。外食が続く日や野菜が足りていないと感じる日の「保険」として活用している。
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便通の乱れは「イエローカード」
不溶性食物繊維を摂れば摂るほどいいというわけでもない。水分摂取が不十分な状態で不溶性食物繊維ばかりを大量に摂ると、逆に便が硬くなり便通が悪化することもある。目安としては不溶性食物繊維2に対して水溶性食物繊維1程度のバランスが望ましいとされている。玄米や根菜類、豆類で不溶性を、海藻やオクラ、果物、そして先述のグアーガムのような素材で水溶性を、意識的に組み合わせるのが現実的なやり方だと自分は感じている。
自分の場合、便通の調子が良い日と悪い日を振り返ってみると、面白いほど前日の食事内容と連動していることに気づいた。会食続きで野菜がほぼゼロだった翌日は、決まって体が重い。逆に、意識して食物繊維を補った日は、午後の集中力の落ち方が明らかに違う。便通の乱れは、体からの小さなイエローカードだと捉えるようになってからは、放置せずにすぐ食生活を見直すようになった。
土台のメンテナンスに、派手さはいらない
グラウンド整備をする裏方は、ヒーローインタビューを受けることはない。だが、その地味な作業を毎日積み重ねているチームだけが、シーズンを通して大きな怪我人を出さずに戦い続けられる。食物繊維を意識した食生活も同じだ。派手な効果がすぐに目に見えるわけではないし、SNSで話題になるような話でもない。
それでも、腸内環境という土台が整っているかどうかは、体調の安定、集中力の持続、そして日々の判断力の質にじわじわと効いてくる。自分は今、食後の眠気や腹回りの数字に一喜一憂する前に、まず土台の整備から見直すようにしている。派手なホームランを狙う前に、足元のグラウンドを整える。経営者としても、一人の体を持つ人間としても、それが長く戦い続けるための最初の一歩だと思っている。
現役時代、名将と呼ばれる監督ほど、練習前のグラウンド整備や道具の手入れにうるさかったのを覚えている。当時は面倒に感じることもあったが、今になって分かる。土台を整える地道な作業を疎かにするチームは、必ずどこかで綻びが出る。体も同じだ。腹回りの数字や便通の調子は、日々の食生活という「グラウンド整備」がきちんとできているかを映す、正直な鏡なのだと思う。
出典 – 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 – 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査」 – 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
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